風疹・麻疹とは
感染力の強いウイルスによる感染症
風疹(ふうしん)と麻疹(はしか)は、飛沫(ひまつ)感染によって、人から人へ感染する感染力がとても強い感染症です。
感染症の感染力は、基本再生産数(R0)と呼ばれる指標があります。
感染している方が、免疫をもたない集団(感染していない集団)に加わったときに、直接感染させてしまうと予想される人数を表す数値です。
感染力が強いウイルスほど、人に感染させる確率が上がるため、基本再生産数数値は大きくなります。
感染力の強さ
たとえば、例年冬季に流行するインフルエンザ。
一人の生徒が感染してしまったことで、学級閉鎖も起こしてしまうウイルスです。
このインフルエンザの基本再生産数は「1-2」とされています。
これに対して、風疹と麻疹は、
- 麻疹:12-18
- 風疹:6-7
インフルエンザと比較しても、感染力が強いウイルスであることがわかります。
風疹感染による症状とリスク
風疹感染によって起こる症状
風疹ウイルスに感染すると、2〜3週間の潜伏期を経て、3つの典型的な症状が現れます。
1 発熱
風邪のような症状や微熱がでます。
その数日後、発疹がでるとともに高熱となります。
熱は数日程度で比較的速やかに下がる傾向にあります。
2:リンパ節の腫れ
まず耳の後ろや首の周りを中心としたリンパ節が腫れる症状が起こります。
熱が下がった後も、数週間持続することが多いです。
3:発疹
風疹の発疹は体の広範囲に淡く小さいぶつぶつがでます。
数日で痕を残さずきれいに、消えてしまうことが多いです。
妊婦さんの感染リスク
とくに注意が必要なのは、妊婦さんです。
先天性風疹症候群(CRS)
妊娠初期の女性が風疹に感染してしまうと、生まれてくる赤ちゃんは先天異常を含む疾患を発症する危険性が高くなります。
先天性風疹症候群とよばれ、
- 目
- 心臓
- 耳
などの臓器・器官に障害をもってしまう症候があらわれます。
麻疹感染による症状とリスク
麻疹感染によって起こる症状
麻疹ウイルスに感染すると、10日前後の潜伏期を経て、風邪のような症状とともに38~39℃程度の発熱が現れます。
一度熱が低下したあと、皮疹とともに高熱となります(2峰性発熱)。
皮疹は、顔面を含めた全身に浮腫状の赤みの強い皮疹が出てきます。
徐々に褐色調に変化して少しずつ消えていきますが、時間がかかるケースが多いです。
回復期では、熱も下がり皮疹も消えますが、皮疹が黒ずんだ色素沈着となってしばらく残ることもあります。
麻疹のリスク・2大死因
麻疹の場合は重症化して合併症を引き起こすリスクがあります。
時に命を落としてしまう危険性もあり、その2大死因となるのが、肺炎と脳炎です。
風疹麻疹の抗体検査・予防接種
感染力が強く、感染リスクも高い風疹と麻疹。
それぞれに対する免疫の有無は「抗体検査」によって調べることができます。
また、事前にワクチンを接種することで病気を予防することもできます。
麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)
当院では、風疹と麻疹、2つの免疫をつけるワクチンとして、麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)を提供しています。
接種を推奨する方
- 0歳児を持つ両親やその同居家族
- 免疫低下者など接種不適当者の児を持つ両親やその同居家族
- 妊婦の同居家族
- 医療関係者
- 保育等の教育関係者
- これから海外渡航を予定している方
など、成人の方を対象としたワクチン接種を実施しています。
抗体検査・予防接種の費用(助成あり)
費 用
麻疹抗体検査 | 4,000円 |
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風疹抗体検査 | 4,000円 |
麻疹風疹ワクチン(MRワクチン) | 9,000円 |
【無料】成人を対象とした検査・予防接種の助成
仙台市では、この抗体検査と予防接種を無料で実施しています。
これまで風疹・麻疹に係る公的な予防接種を受ける機会がなかった世代の成人を対象としたものです。
泉大沢ファミリークリニックは、「風疹抗体検査登録医療機関」「予防接種登録医療機関」として登録されています。
そのほか、
- 助成対象者
- 実施期間
- 必要書類
など
検査や予防接種に関する詳しい情報については、仙台市役所のHPをご覧ください。